ロードバイクにおけるパワーメーターは、多数のメーカーが開発・販売をはじめました。
多数あるパワーメーターのなかでも、「パイオニア」のパワーメーターは、国内ではとてつもなく高い人気を誇っていました。
しかし、2019年をもってパイオニアは、パワーメーターの開発・販売から撤退してしまっています。
パイオニアの撤退は、日本中のサイクリストに衝撃を与えたことでしょう。
パイオニアのパワーメーターが使えなくなってしまった現在、パイオニアに代わるパワーメーターが求められていることでしょう。
そこで今回は、パワーメーターの金字塔であったパイオニアに代わるオススメのパワーメーターについてまとめました。
パイオニア(Pioneer) 左クランク用パワーメーター パワーセンサー SGY-PW510A80GL サイクルコンピューター対応コンテンツ
パワーメーターは万人に本当に必要なのか?
以前まではガチガチのプロ選手だけがパワーメーターを使っていました。価格が高くてそもそも一般的なサイクリストが手を出せるパーツではなかったです。
最近は価格も安くなってきており一般的なサイクリストでも手が届くパーツになりました。
そこで疑問なのですが、そもそもパワーメーターは万人に必要とされるパーツなのでしょうか?
結論としては
ないよりあった方が間違いなくいい
トレーニング目的の場合
ロードバイクでのレースを目標としてトレーニングに取り組んでいる方であればパワーメーターは間違いなくあった方がいいです。
パワーメーターを導入すれば、今までの感覚だけの曖昧なトレーニングから解放されます。
また、心拍計などの指数と比較しても、パワーメーターは正確性・再現性の点で圧倒的に優れています。
トレーニングをパワーメーターで適切に管理できる術を身につければ、飛躍的な実力の向上につながるでしょう。
サイクリング目的の場合
サイクリング目的の方であればパワーメーターが必須ではないです。しかし、それでもパワーメーターはあった方がいいです。
パワーメーターがあれば、ロングライドのときのペースメイクに役立ちます。適切なペースを維持できれば、結果的に楽しくライドできるでしょう。
また、パワーメーターを導入するとその日の最大ワットや消費カロリーを表示してくれます。
普段のサイクリングにそのような数値が加わるだけでも、楽しさが何倍にも膨れあがるでしょう。
パワーメーターはないよりあった方がいいといえる根拠は、このような理由からいえます。
パワーメーターの種類
クランクスパイダー型
クランクスパイダー型のパワーメーターは、クランクとスパイダーとの間に発生する「ひずみ」をもとにパワーを測定します。
パワーメーターの起源となる構造で、パワー測定の精度はピカイチです。
しかし、価格が高いというデメリットもあります。また、測定方法の都合上、気温の変化にも注意が必要です。
クランクアーム型
クランクアーム型は、クランクに直接取り付けられたパワーメーターです。
直接取り付けるためには、すでに取り付けられたクランクを購入するか、メーカー工場を依頼して取り付ける方法があります。
クランクアーム型は、クランクに生じる「ひずみ」をもとにパワーを計算します。
精度が高い上に両側でのパワー測定ができます。その反面、クランクスパイダー型と同様に、気温変化には注意が必要です。
ペダル型
ペダル型のパワーメーターは、パッとみた感じでは一般的なビンディングペダルです。
ペダル型のパワーメーターは、ペダルを踏みつけたパワーをそのまま測定するため、両側での測定ができます。
また、ペダルの取り付けをするだけなので、取り付けや交換が手軽に行えます。
しかし、ペダルはいろいろな場所にぶつけやすく、転倒したときにもダイレクトな衝撃が加わりやすいため、故障のリスクが高いです。
また、対応しているクリートしか使用できません。
リアハブ型
リアハブ型のパワーメーターは、リアホイールのハブにパワーの測定機器を搭載しています。
ホイールを交換するだけなので気軽に測定もできます。しかし、ホイール自体を買い替えるときには大変です。
また、チェーンなどで発生する抵抗のパワーロスにより、リアハブに伝わるパワーは低めになります。
現在の主流はクランクアーム型
それぞれのパワーメーターにメリット・デメリットがあります。
価格や精度、取り扱いやすさなどを考慮した結果クランクアーム型が総合的にはバランスがとれています。
そのため最近では、クランクアーム型のパワーメーターを開発・販売しているメーカーが多く、おのずとクランクアーム型を使用する方が多いです。
オススメのパワーメーター
シマノ FC-R9100-P | 4iiii PRECISION | ローター INSPIDER | ガーミン Vector3 | |
---|---|---|---|---|
測定方法 | クランクアーム | クランクアーム | クランクスパイダー | ペダル |
片足/両側測定 | 両側 | 両側or片足 | 片足 | 両側/片足 |
精度 | ±2.0% | ±1.0% | N/A | ±1.0% |
バッテリー | 充電式 300時間 | 電池式 | 充電式 200時間 | 電池式 |
価格 | ¥141900 | ¥37800~ | ¥89800 | ¥79000~ |
オススメのパワーメーター①シマノ FC-R9100-P
シマノ FC-R9100-P パワーメーター内蔵 52X36T 175.0mm 11S 付属/TL-FC40 IFCR9100PEX26 左右セット両側測定に対応したクランクアーム型
シマノのパワーメーターは、両側での測定が可能です。
両側で単独して測定しているため、左右のペダリングバランスなども確認できます。
精度±2.0%での測定を実現しています。バッテリーは内蔵されているため、付属のケーブルを差し込んで充電できます。
安心の日本製
シマノはコンポを中心に幅広くロードバイクパーツを開発しています。コンポの全世界シェアで一番高いメーカーはなにを隠そうシマノです。
シマノは日本国内のメーカーであるため、親近感がわくだけでなく、安心感も大きいです。
なにかトラブルや故障したときにもすぐに対応してもらえるという点でも安心できるでしょう。
デザインをジャマしない
シマノのパワーメーターは、パワーメーターが付属していないクランクとほとんど見た目は変わりません。
クランク周りに付属したパーツがないため、全体的にスッキリしています。
パイオニアのパワーメーターなどであれば、測定する部位が加わるため少し見た目に変化が加わります。
純正クランクとしての魅力的な外見を意識している方は、シマノのパワーメーターがオススメです。
オススメのパワーメーター②4iiii PRECISION
4iiii PRECSION(コインバッテリー仕様)パワーメーター シマノR8000 左右クランクセット (170, 50×34T)価格が安い
4iiiiのパワーメーターもシマノと同じくクランクアーム型のパワーメーターです。
価格はほかのメーカーのパワーメーターよりも価格が抑えられています。
4iiiiのパワーメーターの最大の特徴はコストパフォーマンスに優れています。
プロチーム使用で精度が高い
4iiiiのパワーメーターの一番の特徴は、測定精度の高さです。測定精度は驚異の±1.0%です。
ただの安いパワーメーターではなく、性能面も優れているため、非常にコストパフォーマンスがいいパワーメーターです。
測定精度が高いことも評価されているため、ヨーロッパのプロチームも4iiiiのパワーメーターを使用しています。
工場での取り付け対応
クランクアーム型のパワーメーターは、すでに既存のクランクに取り付けられた状態で販売されている製品も多いです。
すでに取り付けられているパワーメーターでは、クランク長167.5mmなどの場合は販売されていません。
そういったクランクを使いたい場合には、工場取り付けを対応していることが必須です。
また、今持っているクランクへの取り付けしたい方も4iiiiであれば対応できるのでオススメです。
オススメのパワーメーター③ROTER INSPIDER
楕円リングにおいて優秀
「ローター」はパワーメーターも販売していますが、どちらかというとQ-ringsといわれる楕円のチェーンリングのイメージの方が強い方も多いかもしれません。
新円のチェーンリングとは、力の加わり方が微妙に異なるため、パワー測定にももちろん影響します。
そこで、ローターは楕円リングでも高い精度で測定可能なパワーメーターを開発しました。
楕円リングであればローターのパワーメーターが一番いいかもしれません。
2020年にクランクスパイダー型に
従来のローターのパワーメーターは、クランクアーム型でしたが、2020年にアップデートが加わってクランクスパイダー型に変更されました。
クランクスパイダー型になったことで、左右独立でのパワー測定はできなくなりましたが、クランクの変更に対応できるようになっています。
また、防水性も高くなっているためマウンテンバイクやシクロクロスなどの過酷な環境でも使用できます。
360度のペダリングトルク測定
ローターのパワーメーターの特徴として、360度のペダリングトルク測定があります。
ペダリング中にどのようなトルクが加わっているのかをリアルタイムで可視化して確認することができます。
パイオニアにも似たような機能があったため、ペダリングを可視化して確認したい方にはとても便利な機能でしょう。
オススメのパワーメーター④ガーミン Vector3
Garmin Vector 3 pedal-based電源メーター One Sizeペダル型で取り付けしやすい
ガーミンのパワーメーターVector3はペダル型なので、取り付けがしやすいという最大のメリットがあります。
今乗っているロードバイクへの取り付けはもちろんのこと、新しいロードバイクに変えたときにもすぐにつけ替えができるため便利です。
機材の変更のときにパワーメーターのことを考えなくて済みます。
ガーミンサイコンとの連携がバツグン
Vector3はガーミン製のサイコンとの連携がバツグンで、多くのデーターを表示できます。
パワーやケイデンスなどはもちろんのこと、シッティング/ダンシングの比率測定や踏み始め・踏み終わりのペダル位置を可視化できます。
また、ペダル面のどの部分にトルクが加わっているかも表示してくれるため、ペダリング練習やポジションの見直しなどに活用できます。
ガーミンのサイコンと連携させることでVector3のポテンシャルを最大に引き出せます。
まとめ
個人的には4iiiiがオススメ!
性能面に優れていた大人気パワーメーターの「パイオニア」は事業撤退によって使えなくなってしまいました。
しかし、現在はパイオニア以外にも多くのメーカーが販売しており、素晴らしい製品も多いです。
個人的には性能面・価格面の両方を考慮すると4iiii PRECISIONがオススメです。
価格が安いにも関わらず、工場取り付け可能で、精度も最高レベルなので欠点がほとんどありません。大きな欠点がないということは、万人向けしやすいパワーメーターといえます。
それぞれの製品を比較して、自分にあったパワーメーターを見つけ出しましょう。
コメント