ロードバイクでのヒルクライムは、多くのサイクリストが壁にぶつかる分野であり、さまざまな疑問を抱く場合が多いです。
ヒルクライムがなかなか速くなれずに悩んでいる方もいるでしょう。
ヒルクライムで速くなるためには、練習も重要ですが、ペース配分も重要です。
しかし、手っ取り早く強くなれる方法もあります。
それは、パワーメーターを使っての一定ペース走行です。
今回は、ヒルクライムに強くなるための、ペース配分についてまとめました。
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ペース配分でヒルクライムが速くなる理由
理由①最初に足を使いすぎる傾向がある
ヒルクライムだけではありませんが、ロードバイクで走行していると最初に頑張りすぎる傾向があります。
ヒルクライムは体への負担が大きいため、最初に頑張りすぎてしまうと、後半にペースが総崩れしやすいです。
ペース配分を最初からしてヒルクライムに取り組むことで、後半まで粘って走れるようになります。
オーバーペースでヒルクライムをしても、必ず最後にはタレてしまいます。
理由②一定ペースが体への負担が1番少ない
ペースに上がり下がりがあるような走り方をした場合は、インターバル練習をしている状態に近いです。
インターバルを繰り返すと、心肺機能にも大きな負担がかかり、足にも乳酸が溜まりやすいです。
一定のペースで走行することが、心肺機能など、体に対してのダメージを少なくできます。
ヒルクライムの距離や時間が長くなれば長くなるほど、一定ペースの方が体への負担が少ないと感じやすいでしょう。
理由③再現性が高く、応用しやすい
パワーメータの値を参考にしながらペース配分をすると、毎回同じようなペースでヒルクライムに取り組めます。
再現性が高いため、同じようなペース配分で走るようにすれば、毎回似たようなタイムになるでしょう。
また、ヒルクライムで頂上までかかる「時間」でペース配分を考慮すると、頂上までかかる時間が同じであれば、いつもとは違った場所でのヒルクライムにも応用できます。
反復して練習すれば、初めて走る場所でも、速く・効率的に走れるでしょう。
ペース配分するために必要な機材
機材①パワーメータ
シマノ FC-R9100-P パワーメーター内蔵 52X36T 175.0mm 11S 付属/TL-FC40 IFCR9100PEX26 左右セットペース配分しながら、ヒルクライムを走るためには、パワーメータは必須です。
パワーメータがない状態でペース配分しようとしても、高い再現性を実現することは難しいでしょう。初めて走る場所では、なおさらペース配分ができないです。
パワーメータがロードバイクで使われるようになってからは、ヨーロッパのプロレースでも、一定ペースでヒルクライムをする場面も増えました。
機材②サイクルコンピュータ
ガーミン Edge 530 本体のみ ブラックヒルクライムを一定ペースで走るためには、パワーメータだけがあっても意味がありません。
パワーメータで計測された値を表示するサイコンが必要です。パワーメータに対応しているサイコンであればなんでもいいです。
購入する前には、必ずパワーメータに対応しているかどうかを確認するようにしましょう。
機材③ケイデンスセンサー
GARMIN スピードセンサーDual・ケイデンスセンサーDual セット 010-12845-10【GARMIN純正品】パワーメータやサイコンは必須アイテムですが、ケイデンスセンサーは、どちらかというと、あった方がいいアイテムです。
高いケイデンスと低いケイデンスで同じパワーを出しても、疲労感が大きく違います。
人によってケイデンスを下げた方が走りやすい方と、上げた方が走りやすい方に分かれます。
そのため、自分が走りやすいケイデンスを把握するためにも、ケイデンスセンサーはあった方がいいかもしれません。
まずはFTP測定をしよう!
FTPとは?
ヒルクライムでペース配分を考えながら走るために、まずは、FTPを測定する必要があります。
FTPというワードをはじめて聞かれた方は、なんのことかわからないと思います。
簡単にいうと、FTPは、1時間出力することができる限界のパワーです。
FTPが高ければ高いほど、1時間あたりのパワーが大きくなります。そのため、FTPが高い人の方が速く走れます。
ロードバイクでは、ライダーの強さをあらわす基準として、FTPが利用されることも多いです。
20分走が1番オススメ
FTPをロードバイクで測定するためには、1時間を限界で漕いだときの平均パワーを当てはめる方法が1番わかりやすいです。
しかし、1時間という時間は長いため、途中で精神的な限界をむかえてしまうこともあります。
さまざまな測定方法がありますが、個人的には20分走でFTP測定する方法がオススメです。20分走であれば、苦痛を感じる時間も少なくなるため、メンタルが折れにくいです。
20分走の平均パワーに0.95をかけた値がFTPになります。
何度かチャレンジしてみよう
FTPは、何度か測定することをオススメします。特に、はじめて取り組まれる方は、二回以上測定するといいでしょう。
20分間全力で漕ぎ続ける機会は滅多にないため、測定するたびに最初は誤差がうまれやすいです。1回目よりも、2回目の方がFTPが高くなることも多いです。
何度か測定して、誤差がなくなった値をFTPに設定する方が、今の自身の力を完全に反映しています。
ヒルクライムの長さでパワーを計算してみよう!
1〜2分の場合はFTP120%以上
1〜2分程度の短いヒルクライムであれば、FTPの120%以上で漕いでも耐えられるでしょう。
無酸素運動がメインになるので、乳酸が足にたまりやすいですが、1〜2分という短い時間であれば、FTPの120%は耐えられるはずです。
短いヒルクライムになればなるほど、さらに高いパワーで走っても大丈夫でしょう。
5分の場合はFTP110〜120%
5分程度のヒルクライムになってくると、FTPの120%以上でペースメイクしても、中盤から終盤で力を出し切ってしまいます。
そのため、5分程度のヒルクライムは、FTPの110%〜120%の間のペースで走ると、ペース配分しやすいです。
FTPの120%以上で走っているときほど、乳酸がたまることはないですが、FTP110%〜120%でも乳酸はたまりやすいため、足に燃えるような感覚はあるでしょう。
20分の場合はFTP100〜105%
20分程度のヒルクライムでは、FTPに近い値でのパワーで漕いだ方がいいでしょう。
FTPを大きく超えたパワーで漕いでも10分以上保つことすら難しいです。FTPの100%を維持して20分間ヒルクライムするだけでも十分辛いでしょう。
しかし、理論上は不可能ではないパワーなので、自分を鼓舞しながらFTPの100%態度を維持して走り続けましょう。
30分以上の場合はFTP95〜100%
30分以上のヒルクライムになると、さらに運動時間が長くなるため、パワーを抑えめにする必要があります。
オーバーペースで走っていると、後半の失速が著明にあらわれるようになります。
長いヒルクライムになればなるほど、ペース配分の重要性が大きくなります。30分以上のヒルクライムは、FTPの100%前後で走るとベストな記録が出やすいです。
ペースの上がり下がりを極力減らして、無駄のないペース走行を意識して取り組むことをオススメします。
ペース配分でヒルクライムをするときの注意点
注意点①ペース配分が絶対ではない
パワーメーターは、ペダルを踏み込んだパワーをそのまま計測します。絶対的な値なので、パワーメータの値自体を変えることはできません。
しかし、パワーメーターはその日の調子は反映しきれません。同じパワーで漕いでいても、調子がいい日と悪い日では、疲れ具合が違います。
パワーメーターでペース配分をしていて、あまりにも余裕があるときには、もう少しパワーを出してみたりするなど、その日に適した走り方をしなければいけません。
注意点②定期的にFTP測定は必要
ペース配分を意識したヒルクライムでは、FTPを基準にしてパワーの出力を管理します。
そのため、適切なFTPの値が設定されている必要があります。FTP測定をしっかり行えば、適切なFTPに設定できるでしょう。
しかし、FTPは刻々と変化していきます。自身の成長に合わせて、その都度FTPを更新することで、最適なペース配分で走ることができます。
そのため、定期的にFTP測定を行うことをオススメします。
注意点③一定のパワーでペダリングする
ヒルクライムで速く走れるようになるポイントは、「いかに無駄をなくすか?」です。
ムラのあるペダリングでは、せっかくパワーメーターを利用して、一定のペースを意識して走ったとしても、無駄が多いため効率的ではありません。
なるべく一定のペダリングを日ごろから意識して練習しましょう。一定のパワーを意識して練習すれば、ムラが少しずつなくなります。
まとめ
パワーメーターでペース配分を意識してヒルクライムに強くなろう!
今回は、ヒルクライムで速くなるために必要なペース配分について解説しました。
一定のペースで、極力無駄をなくすことで、ヒルクライムは今すぐにでも速くなれます。
意識して取り組んだことがない方は、ペース配分を意識するだけでも、今までのベストタイムを更新できることもあるでしょう。
シンプルで今すぐにでも取り組める方法なので、一度試してみてください。
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